TOEICの学習は、全員が同じ方法で良いわけではありません。あなたが今いる場所と、目指す山頂によって、必要な装備も登山ルートも全く異なります。
現在450点の人が、いきなり900点を目指す人の勉強法を真似しても、消化不良を起こして挫折するだけです。自分のレベルを正確に把握し、次のステップに合わせた最適な学習戦略を立てることが、スコアアップへの最短ルートです。
【〜600点の壁】基礎力の徹底強化フェーズ
現在地:〜595点 → 目標:600点
このレベル帯で最も重要なのは、「中学・高校英語の完全な復習」です。難しい応用問題に手を出す前に、まずは英語の土台を盤石にしましょう。
学習の主軸
- 単語:TOEICの基礎単語帳(「銀のフレーズ」など)を1冊完璧に仕上げる。毎日触れることを徹底し、反射的に意味が言えるレベルを目指します。
- 文法:中学レベルの文法を総復習できる薄い参考書を1冊終わらせる。特に「品詞」の役割と「文の構造(SVOC)」を理解することが最優先です。
- リスニング:公式問題集のPart1, 2を繰り返し聞く。最初はスクリプトを見ながら、次に何も見ずに聞く練習をします。内容を理解することよりも、英語の音に慣れることが目的です。
- リーディング:Part5の問題演習に集中します。文法知識が直接スコアに繋がりやすいため、得点源にしやすいパートです。
【〜730点の壁】TOEIC形式への最適化フェーズ
現在地:600点〜 → 目標:730点
基礎力が固まったら、次は「TOEICという試験形式に特化した対策」にシフトします。時間内に効率よく問題を解くためのテクニックを磨きましょう。
学習の主軸
- 単語:定番の単語帳(「金のフレーズ」など)を使い、語彙力をビジネスレベルに引き上げます。
- リスニング:Part3, 4の対策を本格化させます。設問と選択肢を先に読む「先読み」の技術を徹底的に練習し、会話やトークの要点を掴む訓練をします。
- リーディング:Part7の対策を始めます。まずは時間制限を気にせず、正確に読む練習から。その後、シングルパッセージの問題を「1問1分」を目安に解く時間管理の練習を取り入れます。
- 模試演習:定期的に公式問題集を解き、本番の形式と時間配分に体を慣れさせます。
【〜860点以上の壁】精度とスピードの限界突破フェーズ
現在地:730点〜 → 目標:860点以上
このレベルからは、「ケアレスミスをなくす精度」と「難問に対応できる応用力」が求められます。これまで以上に質の高い学習が必要です。
学習の主軸
- 語彙・文法:上級者向けの単語帳や文法問題集に取り組み、細かいニュアンスの違いや例外的な用法までカバーします。
- リスニング:様々な国の発音(イギリス、オーストラリアなど)に慣れるため、多様な話者がいる教材を活用します。また、会話の言外の意図を問う問題など、難易度の高い問題形式に特化した対策を行います。
- リーディング:Part7のダブルパッセージ、トリプルパッセージを時間内に解き切るスピードを養います。文章を全て読まずに答えの根拠を探し出す「スキャニング」や「スキミング」の技術を高度化させます。
- 弱点分析:模試の結果を徹底的に分析し、「なぜ間違えたのか」を言語化します。「なんとなく」で失点している箇所を一つずつ潰していく地道な作業がスコアを押し上げます。
自分のステージに合った戦い方を
TOEICスコアアップの道は、一直線ではありません。それぞれのスコア帯に特有の「壁」が存在し、それを乗り越えるためには適切な戦略が必要です。自分の現在地を正しく見極め、次のステージに進むための課題をクリアしていきましょう。
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